COVID-19の蔓延による緊急事態宣言が延長され、社会全体があらゆる面で疲弊状態に陥っているとともに、歯科界におきましては、その感染対策のみならず患者の受診控えも相俟って混沌としてまいりました。
先に、本感染症に対する留意事項につきましてご案内いたしましたが、改めて新たな知見を踏まえた留意事項をご案内申し上げます。
1. 市中(非顕性)感染者の増加とその対策
慶応大学病院によれば、COVID-19以外の入院前患者PCR検査を施行したところ、7%が陽性であったことを報告し、市中感染症の患者が予想以上増加していることを示唆しています。従って、今後はこのことを念頭においた感染対策が必要ですが、その基本はスタンダードプリコーションです。
2. エアロゾル感染(マイクロ飛沫感染)による新たな感染ルートへの対策
これまでは、飛沫感染と接触感染が本感染症の主なる感染経路と言われてきたが、新たにマイクロ飛沫による感染ルートが明確にされたことより、エアゾル(マイクロ飛沫)感染対策が必要となって参りました。具体的には、
待合室、診療所等に、いわゆる「三密」を作らない。
① 予約を工夫し、患者が重ならないようにする
② 空気清浄機を応用する(加湿機能は用いない)と共に、換気を十分に行う
③ 患者に手指消毒とマスクの使用を義務づける
④ 患者以外の外来者対策(診療所外で対応する)
- フェイスシールド付きサージカルマスク、防御衣、手袋を必ず装着する
- 診療前・中・後にユニットならび周辺機器の清掃、消毒を行う
- 待合室に設置してある雑誌等は、当面閲覧を中止にする
- 共用する水洗場(トイレ)は,可能な限り使用しない(当面使用を遠慮して戴く)